カナダ旅行記~1.出会い~の続き。
あちらでのバス移動は何かと不便なことが多い。
宿までが遠かったり、観光スポットまで行けなかったり。
なので、彼が今日の宿に荷物を置いた後、いくつか観光スポットを二人で巡った。
観光スポットの詳細はまたボチボチしていくとして。
私はその日、アイスフィールドパークウェイという道を約300キロ走る予定だった。
途中、何か所か観光しながら夕方までに目的地ジャスパーへ着けばよかった。
彼の宿はジャスパーの250キロ手前。
なのに「いーっすよ、向こうまでご一緒しますよ。バスで帰ってくればいいし。」
なーんて言ってくれたもんだから、ルンルンでなんなく300キロを走り終えた。
この道が一番心配だったんだ。こんな長い道のり一人で走ったことなかったから。
給油所は中間地点に一ヶ所だけって言ったら、
マミーのマミーは携帯トイレを持たせてくれたし。。。
しかしね、途中で気づいてしまったのさ。
ジャスパーから戻るバスがもうない!!
最悪の状況に慌てつつ、冷静さを取り戻そうとする彼がそこにいた。
ジャスパーは観光スポットだけど、とっても山の中。
レイクルイーズに向かう道はただ一つ。
そこで早速
ヒッチハイク開始!車の中で見守る私。
数台に断られたが、案外早くOKが出た。一安心。
翌日、彼もまたこの地を訪れる予定だったので、都合が合えばまた会えるように
宿泊先とメールアドレスを渡し、また会えたらいいねと言って別れた。
宿は全て日本で手配して行った。
いい所を安く!と思い、数ヶ月比べに比べ、
メールや電話、FAXで問い合わせもしまくった。
得意の
一人旅行代理店だ。
その日から3日間に泊まったのは人のうちの地下。
"accommodation(アコモデーション)"といって食事は出ないが、部屋を貸してくれる。あちらにはこういう家が結構ある。
私の所はとってもいいママさんがいて、すごく楽しい時間が過ごせた。
宿泊代もメールで言っていたのよりもだいぶ安くしてくれて♪
ちなみにあちらでは日本のペンションのような
B&Bというのも結構ある。
もみじまんじゅうの人たちではなく、ベッド&ブレックファストという意味。
私もこの旅で最初に泊まったのがB&B。
ホテルに泊まるよりも現地の方との交流が持てていいと思う。
英語だからちょっと疲れるかもしれないけど、一人で寂しかったからね。
その日はとっても部屋でくつろげた♪
部屋にテレビも冷蔵庫も簡易湯沸かし器もコーヒーも揃っていた。
あちらは夜9時過ぎまで明るい。だから生活がちょっと乱れるので要注意。
翌朝はちょっと遅くなってしまい、
6時前に家を出て約50キロ離れたマリーンレイクまで行った。
ここジャスパーは野生動物がたくさんいるということだが、
特にこの道は多いと聞いていた。
こちらに一年いた友達に話を聞いて<動物マップ>を作ってあった。
それを見るとどこに何が出たかがすぐわかるようになっていて便利だった。
夜が完全に明けてしまっていたので、期待はしていなかったが
遠目に大きな角を持ったオスのエルクを見ることができた。
マリーンレイクに着くとナントかなり大きなムースに出遭った!
ここの近くにはムースレイクという湖もあるくらいなのだが、
そのデカさにとにかくテンションが上がった。
ムースが草を食べているのを見ながら、私も朝食をとった。昨夜の残りのベーグル。大好きな"IGA(アイジーエー)"というスーパーで買った。しかし、どうもこちらの食事には慣れない。なので、当然のようにかばんにはたくさん日本食を詰めてきた。
なんだかんだで10時。
マリンレイクのボートクルーズに参加。
日本のたばこのCMでも使われたというスピリットアイランドを見てきた。
周りはドイツ人観光客ばかり。
解説は英語とドイツ語の2ヶ国語で行われた。
もちろんほとんど理解不能。
降りてからドイツ人のおばちゃんと英語で少し会話。
旅ってこういうのが面白い。お互いカタコトだけどなんかいい。
降りてから少し散歩しようと思った。
ムースレイクまで片道20分は山道を歩くらしいが、
友達にも勧められていたので行ってみようと試みた。
しかし行けども行けども見当たらない。30分経っても気配がない。
その間もいつクマが出てくるかわからないし、すっごく一人で不安だった。
だからそんな状況を予測して持って行った
新曲の歌詞カードを見て歌いながら自分を励まして歩いた。
そしてビデオカメラに必死で話しかけながら歩いた。
元々ひざが良くないので、徐々に痛くなってきたし、怖いしで
本当にいつ泣き出してもおかしくない状況だった。
こんな時に限って<ブレアウィッチプロジェクト>の
ビデオ持って追いかけられてる女の子を思い出したりしちゃって。
いい加減心配になったので諦めて引き返すことにした。
もちろん帰り道も半ベソかきつつ、
トトロの「あるこ~あるこ~わたしはげんき~♪」とか歌いながら。
で、10分くらい戻った所かな?私の中では1時間以上の感覚なんだけど、
そこに看板があってね。行きはビデオを通して見てたんだ。
それをよーく見たら道が二股に分かれてて、私
ちがう方に進んでたの!
も~それはそれはショックでね。でももう足がもたないから帰ることにしたんだ。
「じゃ、誰か向こうからきたら一緒に行こう。ねっ。がんばれっ!がんばれっ!」
「明日、昨日の人に会えたら一緒にくればいいじゃん。そうだよ。」
とか独りゴト言いながら。
長かった~。そりゃも~この人生で最も長い1時間だったね。
やっと駐車場について一安心。
休憩もそこそこに早く家に帰りたくて、すぐにその場をあとにした。
でも本当の悲劇はこれからだったんだな。
ひっぱってひっぱってごめんねぇ。